St.Malo / サン・マロ

Saint Malo


 Rennesレンヌからバスで二時間くらいでした。もちろん国鉄も走っており、ParisからはTGVで3時間程です。町はいくつかの地区に別れ全体としてはかなり大きいですが、城壁に囲まれた地区はそれほど大きなものではありません。この地区は旧市街としてたくさんの観光客でひしめいています。中世から海賊や私掠船の根城として栄え、大航海時代にも数多くの探検家を輩出しました。しかし、その港としての優位性から第二次大戦時にはドイツ軍によって占領され、連合国軍による空爆を受け城壁を残して旧市街は壊滅してしまいました。戦後、崩れた瓦礫を一つ一つナンバリングして以前の様子を忠実に復元して現在に至る訳ですが、その労力は生半可なものでなかったと考えられます。このように第二次大戦で被害にあっても以前の様子を復興させてようと努力した町もあるということです。『地方菓子』についてですが、この町には数多くのspécialitéが存在しています。まずは「Pomme Ya-Ya」というもの。これはBretagneフルターニュとしてのspécialitéであるらしく、ブリブリでかなり固めのflanフランをNormandieノルマンディ名産のCalvadosカルヴァドス(リンゴの蒸留酒)で香り付けし、上にpommeリンゴを飾ったものです。そして「Gwen Ha Du」といわれるのももbretagneのspécialitéらしく、biscuit chocolat(その店ではbrownie chocolatと言っていました)の上にchocolat blancホワイト・チョコレートとriz soufflé caramélisé(お米を糖分とともに炒ってキャラメリゼすることによってポップコーン的に膨らむ)を混ぜ合わせたものをのせ固めた菓子です。つぎは「Le Petit Malouins」というもので、St. Maloのspécialitéとされます。malouinは「サン・マロの人」を意味します。これは型の底にNougatineヌガティーヌ(caramel色の入った飴とamande hachée細かくしたアーモンドを合わせたもの)を敷き、その上にpâte de marronマロンペースト(お店の人はcrème de marronマロンクリームだと言っていましたが、そんなに柔らかくないです)をのせ、その上からbiscuit d’amande et de noix(アーモンドとクルミベースの生地)を流して焼き上げた菓子です。見た目にも食感的にもnougatineがいいアクセントになっています。そして「Ker y Pom」というものがありました。これはpâte sucréeサブレ生地の上に薄くスライスした半割のpommeリンゴをのせ、その上からまたpâte sucréeをかぶせて焼き上げたものです。まさにリンゴの名産地ならではです。


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