Champagne-Ardenne / シャンパーニュ・アルデンヌ

Champagne-Ardenne / シャンパーニュ・アルデンヌ

この地域圏で最も有名なのがなんといってもChampagneシャンパンです。同じ発砲ワインでもこの地域圏で取れたものしか「Champagne」を名乗る事ができません。中世にはシャンパーニュ伯の下、地勢的な利点(シャンパーニュ平原とla Meuseムーズ川(北海に続く)、la Seineセーヌ川(La Manche英仏海峡に続く)、la Rhôneローヌ川(地中海に続く))からヨーロッパ最大の国際市が開かれるなど非常に繁栄した場所でした。当時は北欧のハンザ同盟とイタリア商人が経済の担い手であり、当時の主な輸送手段が川を使っての交易であり、この両者にとっての中間地点、最も便利な場所がここであったのです。しかし、航海技術の発展にともないこの市は廃れて行っていまいました。そして残念なことに、現在でもこの地域圏はchampagneを抜きにしてしまうと、産業的に発展して活気ある地域圏というわけではなく、champagne関係以外では上記の「シャンパーニュの大市」の開催都市であったTroyesトロワくらいであまり魅力的なものがない、というのが個人的な感想です。


  • Biscuit Rose :Biscuit de ChampagneBiscuit Rose /Biscuit de Champagne

   ビスキュイ・ローズ / ビスキュイ・ドゥ・シャンパーニュ

 この地域圏で唯一にして絶対の『地方菓子』です。biscuitとはbis(2)、cuit(焼く)という様に、元々は二度焼くという意味です。そこから転じて「二つの行程を経る」という風に使われています。よく言われるようにgénoiseジェノワーズは共立て(全卵)、biscuitは別立て(卵黄・卵白を分けてそれぞれ立てる)です。Biscuit Roseの特徴の一つとしてそのピンク色があり、伝統的にcarminコニチール色素を使っています。これは加熱に強いという特徴からだと思います。元々は染料や絵の具に使われ、中世では高級品でしたが、この原料が昆虫であることは意外なところです。さて、この菓子は仕込んだ生地を特徴的な長方形の型に流し上からsucre glace粉糖を振り、とても低い温度、もしくは乾燥状態にある場所にて表面を乾燥させます。そして次にそれなりに高温のオーブンで一気に焼き上げます。ですので外側はそれなりに固い皮ができ、中はフワッというよりはサクッとした感じになります。そしてそれをchampagneに浸して食べるのがà la champagneシャンパーニュ風です。


  • Ecailles d’ArdoiseEcailles d’Ardoise / エカイユ・アルドワーズ

  この地域圏でも北部のArdennesアルデンヌ県で見られるspécialitéです。薄く伸ばして四角くカットしたnougatineヌガティーヌを青の色素を入れたchocolat blancホワイト・チョコでenrober(包む)したものです。しかし、これと全く同じ様なものをいろいろな場所で見る事ができます。






  • Caisses, CaisettesCaisses, Caisettes / ケス、ケセット

 この地域圏の南東部で多く見られる『地方菓子』です。とはいってもmeringueメレンゲをただ焼いただけのものです。基本的にはmeringue italienneイタリアン・メレンゲを細長く焼いたものです。






  • Bouchon de ChampagneBouchon de Champagne /

  ブション・ドゥ・シャンパーニュ

 実際は普通のお酒の入ったbonbonですが、形はchampagneシャンパンのコルク、中身はmarc de champagneマール・ドゥ・シャンパーニュ(葡萄酒(この地域圏の場合主にシャンパン)の搾りかすを発酵させた蒸留したお酒、イタリアのgrappaグラッパが有名)が入っており、まさに『地方菓子』です。