Salrat laCanéda /      サルラ・ラ・カネダ

次へ
Sarlat la Canéda


 Brive la Gaillardeブリーヴ・ラ・ガイヤルドから、Midi-Pyrénéesミディ・ピレネー地域圏のSouillacスーイヤックを経由してバスにて1時間半程かかります。S.N.C.F.フランス国鉄の駅はありますが、基本的にバスでの移動になります。駅から町まではそれなりに歩かなくてはいけません。ここは大きな町ではありませんが、中世の町並みが残っている事で有名で、沢山の観光客が来ます。それなりの大きさの町では旧市街よりも快適な現代的な作りに取って代わりつつありましたが、この町は文化財保護法であるマルロー法によって保護された町第一号になったからです。この町はPérigord Noirの中心でもありますので、「Foie Gras」や「Truffe」といったものが特産で、それらを売る商店も沢山あります。この町で見られた『地方菓子』ですが、ほとんどがnoixクルミ関係です。まずはよく見られるのものである「Cerneaux de Noix」や「Les Arlequines」などが挙げられます。その他には「Tarte aux Noix」があります。これはpâte sucréeサブレ生地をfonçage敷いたtarteタルトを空焼きしたものに、noixとappareil caramelアパレイユ・キャラメル(カラメルとlait牛乳やcrème生クリームを合わせたもの)を混ぜたものをのせたものです。他には「Gâteau aux Noix」というものもあり、これはpoudre noixクルミ・パウダーを使ったpain de gêneパン・ド・ジェーヌ(基本的にはamandeアーモンドを使う、油脂分の多いgénoiseスポンジケーキのようなもの)のような生地をアルミカップに流して焼き上げます。そのままのNatureと上にganacheガナッシュをかけたChocolatの二種類がありました。また「La Lauzes du Périgord」というchocolatもありました。lauzeはlaveとも言われ、日本語では頁岩と言われ、薄く層状に割れ易い事から屋根材として用いられる事もあります。この地域の石工は中世には有能で知られていました。このような歴史背景をもってこのような菓子が作られたものと思われます。さて、この菓子はnoixでつくったnougatineヌガティーヌをchocolatでenrober包んだものです。他には「Tourtier」が見られました。これは基本的にはAquitaineアキテーヌ地域圏の『地方菓子』ですが、それ以外の地域でもよく目にし、その場合は「Croustade」という名前の事が多いです。そしてAquitaine以外で見られる場合は得てしてpâte filo(可塑性の無い油分を含むpâte生地を透けるくらい薄くのばしたもの)で作られることがおおいです。ここではこのpâte filloを使って「Tourtière」の名前で売られていました。中にはcrème d’amandeアーモンド・クリームを入れ、そこにpommeリンゴとpruneau干しプラムを入れています。Aquitaineでもこの組み合わせが王道ですが、これはpruneauの一大生産地であるAgenがあるためです。


Copyright © 2018 Caol KAWATA. All rights reserved.