Lyon Part-Dieuリヨン・パール・デュー駅下車。こちらは新市街で旧市街に近いのはLyon Perracheリヨン・ペラーシュ駅です。ParisからT.G.V.で2時間です。Part-Dieuから繁華街・旧市街はかなり離れているので、バスか地下鉄を利用する事を勧めます。Perracheからだとそれほど遠くないです。それでも歩きますが。LyonはRhôneローヌ県の県庁所在地にしてこの地域圏の首府であり、フランス全土でも第2位の規模の都市圏を形成しています。Lyonのplace Bellecourベルクール広場を含むSaôneソーヌ川西岸の旧市街地は「Site historique de Lyonリヨン歴史地区」として世界遺産に登録されています。古代ローマ時代から栄え、中世、近世も安定した発展を遂げ、現在に至ります。歴史のある町なので、もちろん歴史のあるspécialitéも存在します。その代表格なのが「Coussin de Lyonクッサン・ドゥ・リヨン」です。直訳すると「リヨンのクッション」ですが、これはLyonが中世以降絹織物で盛行したことに由来しています。これはPâte d’amandeアーモンド・ペーストでganacheガナッシュをenrober(包む)し、筒状にして適度な大きさに断面を潰しつつ切ったものです。その後、糖度の高いsiropシロップに浸けて表面を糖菓させます(déguiser「変装させる」と言います)。他には「Quenelle de Lyonクネル・ドゥ・リヨン」というのがあり、「quenelle」とは鳥や魚の肉をすり身にした、いわばつみれのような感じです。Lyonの郷土料理ではbrochetカワカマスの肉を使います。この菓子は棒状にしたganache au café(コーヒー風味のガナッシュ)をcaféコーヒー豆の小さい粒子を若干混ぜたchocolat blancホワイト・チョコレートでenrobéしたものです。歴史は古くありませんが、郷土料理にそのヒントを得たいい例です。そしてLyonのもう一つのspécialitéと言えるのが「Tarte à la praline rose」です。この地域圏の例に漏れず、もちろんこの町にも「Brioche à la praline」はありますが、この町にはそれが応用されてtarteタルトになっています。これははっきりいってpraline roseプラリーヌ・ローズが入ったcrème pâtissièreカスタード・クリームです。分かり易く言うと、amandeアーモンドが入っている赤く着色されたcrème pâtissièreといった所でしょうか。