南部にMassif du Juraジュラ山脈、北部にMassif des Vosgesヴォージュ山脈に挟まれた地域圏で、非常に牧歌的な雰囲気です。これは『地方菓子』についても言え、非常に素朴な菓子が多かったです。現在では精密機械の製造で栄えている地域ですが、以前はメガネやパイプといったユニークな名産もありました。これも水がきれいなことなどに由来していると考えられるかもしれません。中世初期からはブルグンド王国の一部として、中期からは神聖ローマ帝国ブルゴーニュ伯領にあたります。ここで注意が必要なのは中世後半で一大勢力となったブルゴーニュ公国とは違うということです。フランス語でいうと伯領comtéと公領duchéです。どちらもBourgogneですが地位が違いますし、宗主(神聖ローマ皇帝とフランス王)も違います。ちなみブルグンド王国もフランス語ではRoyaume de Bourgogneです。ブルゴーニュ伯領は名前はそのままブルゴーニュ公国の一部となったり、フランス王家の一部となったりもしましたが、神聖ローマ帝国・スペイン王国ハプスブルク家の領土から最終的に17世紀後半からはフランスの領土であり続けています。一方、この地域圏にはもう一つの伯領が存在しており、それが神聖ローマ帝国モンベリアル伯領です。現在のMontbéliardモンベリアルの周辺のかなり限られた地域ですが、この地がフランスに併合されたのは18世紀末です。ですので、この地域はAlsace同様にドイツ文化の影響を色濃く残しています。
フランシュ・コンテの地方菓子