Pâte de Fruit / パート・ド・フリュイ
フランス全土でみられるものですが、この地域ではフルーツの栽培が盛んであるため、特にspécialitéとして取り上げられています。これはfruitフルーツのピューレに大量の砂糖と凝固剤としてpectinペクチンを加えて煮上げたものです。日本で言ういわゆる「グミ」とは全く違うものです。まわりには粒子の粗い砂糖をつけます。
Arlequin / アルルカン
Couettes / クエット
arlequinとは「菱形」という意味で、その名の通り四角い形をしています。これは 「Pâte de Fruit」をmassepainマジパンでサンドしたもので、成形後、糖度の高いsropシロップに浸けて周りを糖化させています。この作業をdéguiser(変装させる)と言います。言葉の成り立ちはLimousin Périgordリムーザン・ペリゴールのページに書きましたが、déguiserさせてることと、人を騙す道化の意味合いもあるのかと思われます。この辺りのところのフランス人のネーミングセンスは秀逸だな、といつも感心しています。
Pâté Bourbonnais / パテ・ブルボネ
Le Pâte au Pomme de Terre / ル・パート・オー・ポム・ド・テール
主に中部以北の平野地帯でみられ、これはpâte brisée(練り込みパイ生地)とpomme de terreジャガイモを使ったsalé(塩味の)ものです。このbourbonnaisの名前は有名なフランス・ブルボン王朝の祖がこの地であることに由来しています。
Le Gateau de Vulcania / ル・ガトー・ド・ヴュルカニア
Le Randonneur du Cantal / ル・ランドヌー・ドュ・カンタル
火山地帯であるこの地域を特徴づけるような菓子です。これらは違う名前ですが、中身は同じようなもので、それぞれが存在する地域の性格をよく表しています。これは木枠の中にpain de gêne(マジパンベースの生地)を流してまず焼き、その上にMyrtilleブルーベリーのconfiture(ジャム)をのせ、またその上にdacquoise(マカロンのようなmeringueメレンゲとamandeアーモンドの生地)を絞って焼き上げたものです。
Pompe aux Pommes / ポンプ・オ・ポム
この地域圏の主に中部以南の山岳地帯でよく見られる『地方菓子』です。非常にシンプルな菓子で、上下のfeuilletageパイ生地でcompote de pommeリンゴのコンポートを挟んで焼いたものです。大きく作って切り分けて売って行くのが基本です。上には格子状の模様がつきます。